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栗坂 健一
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 10 Pages, 2023/05
本研究は、既存のナトリウム冷却高速炉SFRにおける観測データに基づき蒸気発生器SG伝熱管漏えいの発生率の時間トレンドを把握することを目的とする。対象とするSFRは仏国のPhenix及び露国のBN600である。公開文献を基に、管-管板溶接数、管-管溶接数、母材の伝熱面積、SG運転時間、SG伝熱管漏えい発生日、漏えい位置、漏えいモジュールの交換などの漏えい後の是正措置を調べた。これらのデータを踏まえ、漏えい発生までの運転時間を推定し、上記部位毎に伝熱管漏えい発生率の時間トレンドをハザードプロット法により定量化した。結果、Phenixの管-管溶接部の漏えい発生率は繰り返し熱応力によって短期に増大する傾向が示された。長期トレンドとしては、Phenix及びBN600両者の管漏えい発生率は減少傾向を示した。この傾向は溶接及び運転条件の改善並びに初期故障の除去によるものと考えられる。
山田 文昭; 今泉 悠也; 西村 正弘; 深野 義隆; 有川 晃弘*
Proceedings of 25th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-25) (CD-ROM), 10 Pages, 2017/07
ループタイプ・ナトリウム冷却高速原型炉の設計基準事故(DBA)を超える除熱機能喪失の一つとして、2箇所の1次冷却材漏えいによる原子炉容器液位確保機能喪失(LORL)のシビアアクシデント(SA)評価手法を開発した。2ヶ所の1次冷却材漏えいは、DBAの出力運転中の1ヶ所の1次冷却材漏えいに伴う原子炉停止後の低温停止中に、別ループの1次冷却系配管において2ヶ所目の漏えいが発生し、過度に原子炉容器(RV)液位が低下し、LORLに至る可能性がある。本論文では、想定される漏えい部位の組合せから、厳しいRV液位となる代表事故シーケンスの選定、RVへの冷却材ナトリウムの汲み上げ、1次主冷却系のサイフォンブレークによるRV内冷却材ナトリウムの汲み出し停止の液位確保策、RV液位を過度計算するプログラム、液位計算プログラムを用いた代表事故シーケンスのRV液位挙動を示した。評価の結果、DBAを超える2ヶ所の1次冷却材漏えいに対して、2ヶ所目漏えいに対する液位確保策により崩壊熱除去運転に必要なRV液位が確保され、除熱機能喪失を防止できることを明らかにした。
安濃田 良成; 黒田 猛*; 近藤 昌也; 村田 秀男
JAERI-Tech 96-028, 71 Pages, 1996/06
平成7年12月6日、動力炉・核燃料開発事業団の高速増殖原型炉もんじゅの2次主冷却系においてナトリウム漏洩事故が発生した。漏洩は2次主冷却配管に設置された温度計ウェルの先端部が折損し生じたものであるが、折損の原因は後流渦による流動励起振動によるものと考えられている。原研では、科学技術庁原子力安全局の「もんじゅナトリウム漏えい事故調査・検討タスクフォース」による原因究明に資するため、温度計ウェルの流動励起振動に関する水流実験を行った。実験は、もんじゅ温度計ウェルが使用された条件を含む広範な条件について実施し、後流渦パターンとウェルの振動モードとの関係、及び変位応答における減衰パラメータの影響を明らかにした。
池沢 芳夫; 村田 幹生; 吉田 芳和
保健物理, 11(1), p.45 - 50, 1976/01
防護マスクの性能は、マスク面体と顔面との気密性に起因する漏洩率に主に支配される。NaCl粒子による漏洩率試験法の実用性を調べるため、3種類の半面マスクと2種類の全面マスクを約40名の被験者に着用させ、漏洩率の測定を行なった。NaCl粒子雰囲気のフード内で、防護マスクを着用した被験者の呼気中のNaCl濃度を炎光分光光度計で測定した。その結果、この試験法は、主としてフィットネスに起因する漏洩率を比較的迅速かつ簡便に測定評価できる方法であることがわかった。試験の結果、全面マスクの漏洩率は着用者の着用経験によって大きく変化した。しかし、マスクの着用具合を調整しても、大きな漏洩率を示した者が若干存在した。
横山 賢治
no journal, ,
OECD/NEA/NSC核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のサブグループ46(SG46)では、臨界実験等で得られる積分実験データの情報を核データライブラリの妥当性確認に効果的効率的に利用する方法について検討している。SG46では、現在各国で設計研究が進められている主要な原子炉システムをリストアップして核データの不確かさに起因する設計目標精度を定めた上で、核データの要求精度を逆算し、核データ測定・評価の優先順位を示す予定である。この核データ要求精度の検討を進めるために、SG46のコーディネータから日本の最新の高速炉の解析モデルの提供依頼を受け、2018年11月の会合で解析モデルを提供した。2019年11月に開催された会合では、この解析モデルを用いて感度解析や不確かさ評価を行った結果を報告した。同会合において、同様の結果を報告した参加者や今後同様の評価を行う参加者に対して、冷却材ボイド反応度に対する計算では摂動理論に基づいて漏洩項と非漏洩項に分離した計算を実施してほしいという要請があった。本発表は、この要請に対応して、漏洩項と非漏洩項の反応度と感度係数の計算結果を報告するものである。